フィリピン最後の楽園パラワン島 日常編

日本と全然違う!そんなパラワン島での暮らし / 2017年~現在

【追い詰められたSRRVビザ】やり玉に挙げられて復活は絶望的な現状

 

f:id:palawan:20210330104635p:plain

フィリピン

特別退職者ビザ(SRRV)

このビザを所持してフィリピンで生活している外国人も多い。

 

これがどんなビザか簡単に説明すると、35歳以上から取得可能で入出国に関してや、労働の許可(別途許可証は必要)、学校にも通えるなど様々な特権が付いていて、有効期限は無期限。更新(最長3年に1回で約10万円)さえすれば半永久的に永住のような形でフィリピンに滞在することが出来るビザである。

 

主な取得要件はフィリピンに保証金という形で定められた金額(2万ドル・5万ドル※プランによる)を指定銀行に定期預金し、本国とフィリピン国内で犯罪履歴がなく、また伝染病の有無を調べる健康診断にパス、精神疾患がないなどの様々な要件をクリアすれば取得出来る。

 

というか、以前は出来た。

 

というのも現在は新規申請受付と発給が停止されているのである。この理由について中国人絡みで以前の記事に書いた。

 

palawan.hatenablog.com

 

PVも多くグーグルニュースにも掲載されたのだが、今まさにこのSRRVビザが追い詰められている。

 

最近のニュース

このビザを発給するのはPRAというフィリピン退職庁で観光省の傘下にある行政機関。

 

f:id:palawan:20210330104939p:plain

PRAのHPの謳い文句

最近の発表をみると直近のお偉いさん達の会議で新規発行と申請の一時停止の延長措置が決定。結局数ヵ月前の前回と同じでいつアナウンスされるか分からない「次のお知らせ」があるまではこれに関しては待つしかない状態。

 

カード有効期限が1年に変更

別の日のアナウンスではIDカードの更新についてで、今まで最長3年だった有効期限を1年に短縮するということを発表した。

 

ビザ自体の有効期限は先程書いたようにもともと「indefinite 」つまり無期限。しかし実質は退職庁発行のメンバーIDカードとセットなので要はそのカードを有効期限が1年のものしか出さないということになったのである

 

はっきり言ってグレードダウン。

 

このビザを持っているからと言ってフィリピンに住まなければならないという制限はないので中には数年に1度くらいの頻度でフィリピンを訪問するという人だっている。そういう場合は観光ビザでは手を出すことが出来ないフィリピンでの様々な目的があってわざわざそうしている訳だが、年一回の更新なんて面倒でしかないし、初めから知っていればこのビザが取得候補にあがることもなかったかもしれない。

 

 

 

それに普通にフィリピンを生活の基盤にしている人でも年一回の更新なんてACRカードじゃあるまいしイチイチやってられない。

 

最近のPRAの炎上している公式FBページを確認するとコメント欄でオンラインでの更新手続きが可能と公式がコメントしてあるが、更新料の支払い先など必要となる情報は出ていないし、怒ったたくさんの外人がそれについて質問しているにも関わらず無反応を貫いている。

 

都合が悪くなれば堂々を無視を決め込むフィリピンの行政機関のやり方そのもので、見ていて気分のいいものではない。

 

出国にトラベルパス

さらに現在は移民局からの要請でこのSRRV保持者もフィリピン出国時にはトラベルパスなるものを取得しないといけなくなったようである。

 

長期滞在していても観光ビザとは異なりパスポートだけで出国が出来ていたのがこの扱いなのでこちらも後出しジャンケンで特権を反故にされた格好だ。

 

入国も不可

約一ヵ月半前の2月16日にやっとこのSRRVビザを保持する外国人も入国緩和の対象になったのだが、これがまたヒドイくて非難を浴びている。

 

当時の記事

palawan.hatenablog.com

 

そもそも本日3月30日時点ではマニラ首都圏とその近郊がコロナ感染者急増でECQに逆戻りしているので入国に関して再度規制強化されている。

 

しかしこれは「コロナ問題」への一時的な対応なのでいつかは解除される。しかし解除後もSRRV保持者の入国は簡単にはいきそうもない

 

先程の記事でも書いたように入国に際してEED(entry exemption document)という書類が必要になるのである。発行するのはフィリピン外務省。

 

当初はこの辺がはっきりしなかったが、このEEDを取得するにはどうやらフィリピン退職庁を経由し、さらには観光省をも経由して外務省から発行してもらうという果てしなく長いプロセスが必要だと判明。

 

フィリピンの行政機関のやり取りは一カ所だけでも溜め息あが出るのに、こんな風に一つの書類が3か所も行ったり来たりするなんて絶望的過ぎて希望もない。

 

せめて中間にある観光省のそれなりのポジションの人のツテを使って便宜を図ってもらわないと真面目にやってたら無理だろう。

 

その証拠に申請して数ヵ月間経っても返信メールの一通すら届いていないというクレームがアチコチに出ている。

 

真っ当なビザを持っていてもこんなに大変なフィリピンへの入国。

 

しかし中国人は入国可能?

f:id:palawan:20210330105303p:plain

フィリピンでの中国の春節の様子

先月末くらいに中国人十数人がこのEEDの書類を持って入国しようとしたが拒否されたというニュースがあった。

 

拒否理由はEEDに記載の入国目的と空港での口頭での入国目的の質問の答えに不一致があったかららしい。

 

きっと英語が堪能でなかったか、単に詰めの甘い中国人だったのかは分からないが、問題は2つある。

 

まず一つ目は彼らがEEDを持っていたということ。

 

普通の外国人が頑張ってもなかなか手に入らないものをEEDの規制が出来てすぐに手に入れているという事実。

 

これは彼らの代理人が外務省あたりの職員にお金を払って便宜を図ってもらったと疑われても仕方のない早業。

 

中国人への悪口が言いたい訳ではなく、問題視する部分が間違っているということである

 

これは問題の2つ目になるのだが、以前の書いた通り問題はビザではなく、観光客を装って入国し、違法滞在や違法就労する中国人とそれに便宜を計って賄賂を受け取りポケットにいれるフィリピン人の役人。

 

SRRVがやり玉に挙げられているが、人数でいうと取得者は数万人程度。それに面倒な手続きをして身分を保証した人に発給されているので、これを隠れ蓑に悪いことをするのはごくわずかな人数。

 

問題なのは観光客を装って入国した数百万人のうちの何割かの中国人なのである。

 

ちなみに私は個人的に一般の中国人に特別なネガティブな感情は全くないが、こういう問題を起こす彼らに関してはフィリピンでは同じ外国人という立場から迷惑を被っているのでもちろん好きになることは出来ない。

 

最後に

久しぶりにPRAが気になってアナウンスされている複数の文書をチェックしたらをヒドイことになっていたので長々と書いてしまった。

 

しかしSRRV保持者の中には本当に必要な用事があって入国したくても出来ない人が多いのである。現在はコロナ禍で普段と違う措置を取るというのは仕方がないし当たり前だが、ある程度はなぜそのビザを取得する必要があったのかという背景にも配慮すべきでもある。

 

フィリピン人との血縁関係がなくてもフィリピンに深く関わろうという人や、母国を離れてて余生をフィリピンで過ごそうと決意した人達へのビザ。しかもそうやって呼び込んでいたのであれば尚更である。

 

今後取得要件が厳しくなるのは確実で下手をしたら無くなってしまう可能性すらある

 

そしてもっと最悪なのは発給済みのこのビザへのさらなる内容の改悪である。

 

そうなると集団訴訟に発展してもおかしくないが、ビザ保持者は立場の弱い外国人。それを阻止することはこの国ではきっと無理なんじゃないかと思う。

 

下手にやると次はフィリピン人と偽装結婚して移民ビザを手に入れる、そんなケースが増えていくかもしれない。

 

 

 

 

 

※このブログはブログランキングに登録中です。応援していただける方はぜひこちらをクリックお願いします! 

にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村