フィリピンの中国人
昨日のニュースで、VUA(Visas Upon Arrival )という制度でフィリピンへ入国した中国人2,736人が不法滞在で国外退去命令が出されたというのを見た。
その中の大半はブラックリスト入りとなり、再入国出来なくなるようなのだが、なぜ不法滞在なのか、VUAって?、そもそも中国人がフィリピンに観光に来るときはどんなビザなのか、ビザの延長は?といろいろ気になったので調べてみた。
日本人の場合
日本人の場合、フィリピンに旅行に来るときには30日以内の出国チケットさえを持っていれば事前のビザ申請なしで30日間の滞在が許可される。
これが一般的には観光ビザと呼ばれるもので、正式には 9(a) Temporary Visitor’s Visaだが、最初の30日間が免除されているので無査証でOKという感じ。
そして期限が過ぎる前に入国管理局で延長手続きし、それを繰り返せば観光客として最長連続3年間フィリピンに滞在することが可能。
もはや3年もストレートでフィリピンに滞在している場合は観光とかではなく移住になるが、ビザはあくまで観光ビザ 9(a) Temporary Visitor’s Visaなのでフィリピンの銀行口座が開けなかったり、運転免許が取れなかったりといろいろ不都合も出てくる。
中国人の場合
ではフィリピンに来る観光客数としてはぶっちぎりの1位である中国人の場合はどうなのだろうか。
中国人観光客増加と投資による経済効果を見込んで2017年にVUAという制度が出来たらしく、観光ビザ 9(a) Temporary Visitor’s Visaであることには変わらないが、日本人と異なり30日間の無査証ということではなく、フィリピン到着時にビザが発行される制度が適用される。
これは入国前にフィリピン観光省認定の代理店を通して申請するらしく、費用は約1,300ペソ(2,700円)。名前、パスポート番号や宿泊ホテル、旅行行程などの情報を添えて申請が必要。
観光客だけでなく、投資目的、またビジネスマン、スポーツ選手といったフィリピンの他の特別なビザを持っていないあらゆる人が対象となる。
以前はこのVUAも最大で6ヵ月間までの延長が認められていたらしいが、今は延長不可で滞在は30日間のみらしい。そして就労ビザなどの他のビザへのアップブレードは出来ないそう。
ちなみにこのVUAは今年の1月に中国でコロナウイルス騒動が始まった時に発給が停止されている。確かに記憶を辿れば今年の1~3月にここパラワン島で中国人の観光客グループを見なくなったと誰かと話した記憶がある。
国外退去の件
冒頭の2,736人の国外退去、いわば強制送還のニュースを聞いて私と同じようにちょっと不思議に思った人も多かったと思う。
なぜなら普通の日本人の場合は観光客としてビザの延長を繰り返し、就労などをしなければ合法でフィリピンに長期滞在が可能なのになぜ中国人はだめなのか。
それは日本人には関係のないこのVUAが延長が出来ないからで、30日を超えて滞在した場合は不法滞在となってしまうのが関係するみたい。
しかしフィリピンのコロナ渦による3月半ばからのロックダウンで帰りたくても帰れなかった普通の中国人もいるので、その明確な根拠と証明が出来ればブラックリスト入りは逃れることが出来るらしい。
ただおそらく大半は観光と見せかけて不法滞在以外にも何らかの違法行為をしていた可能性が高そうだ。
なぜならここ数ヵ月間の間にはレスキューフライトやスイーパーフライトと呼ばれる行き場を失った観光客向けの飛行機はたくさんあったし、キャンセルは多かったが普通に航空券を購入して中国に帰ることも出来たはずで、それを敢えてしなかった人達なのだろう。
最近
最近ここフィリピンでは中国人に対するビザの件が問題視されている。今更なんで?という感じだが、別の種類である退職者特別ビザSRRVも一時的に発給が停止されてしまった。
それに関しては今後取得要件が厳しくなって復活するか、あれだけちょっと他とは毛色が違うビザなので下手をしたら無くなる可能性すらある。
ちょっと世論の注目を浴びると思い付いたように行動をするフィリピン。ただ長続きぜずに未解決のままフェードアウトしていくのがいつものパターン。今回は例外となるのかちょっと注目。
今回は中国人のフィリピンへの観光入国について気になったので書きましたが、入国管理局のHPは数年前のままで更新されおらず、全て私調べなので間違っている部分もあるかもしれませんのが、その時は悪しからず。
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このブログはフィリピンのパラワン島よりお届けしました。鳥の目線でこの島を空撮した動画です。ぜひ見てみて下さい。
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