フィリピンをブラブラしていると見かけるのかこのPALAWAN PAWNSHOP
なんか物騒な鉄格子のようなものがあるし、普通に旅行に来た日本人には縁のない場所なので読み方も分からないしフツーはスルーする場所…
ここ何の店ですか?と興味津々で聞くような雰囲気ではないのはこのスペースに一歩足を踏み入れれば分かるフィリピン人の空間…
ちなみに在住者や中長期滞在者であってもほとんど関わらないことが多いのだが、フィリピンでアレコレやっている場合やフィリピン人と繋がりが増えるにつれてちょいちょい接点が出てくるちょっと変わった場所…
ちなみにこれはフィリピン全土に3,000ヵ所以上あり、PALAWANと名が付くのは1985年にここパラワン島で第一号店が出来たから。
PAWNSHOPの読み方はポウンショップとかパウンショップという感じで英語では質屋。
そう、つまりこのPALAWAN PAWNSHOPとはパラワン島が誇るフィリピン全土に展開する質屋さんなのである。
ちなみに2019年にはこんな立派な本社がパラワン島に出来ている
ローカルフィリピン人が列をなす謎
ここで気になるのはどの店舗もそれなりに賑わっていること。時には大勢のフィリピン人でごった返していることすらある。
そんなに質屋文化があるの?と思うかもしれないが日本の質屋とはちょっと異なるし、実はメインのサービスは既に質屋事業ではない。
もちろん質屋もやっているが受付けるのは金(ゴールド)製品のみ。ゴールドの貴金属を持っていればそれを質にいれてお金を借りることが可能。
ただ普通に考えてその辺の一般的なフィリピン人はゴールドとは無縁の生活をしているので質屋としての実際の利用率はかなり低いと思われる。
ではなぜあんなに繁盛していて立派な本社ビルまで建てられるほどもうかっているのか?
あの鉄格子の向こうでは怪しい取引がされているのか?
今日はこの辺の疑問に答えてみます。
お金を送る・受け取る
まず盛況なサービスの一つはお金の送入金。
フィリピン人は銀行口座を持っていないことが多いので離れた場所にいる家族・親戚間や友人・知人間での送金手段があまりない。
このPALAWAN PAWNSHOPに行けば送金する金額によって手数料はかかるが簡単に送金可能。
離れて暮らす大学生の息子に生活費として1,000ペソを送るといった仕送りもここでお父さんやお母さんが行うのである。
実は私も数年前に一度マニラで困っているという知り合いのフィリピン人にここパラワン島から3,000ペソ(約6,000円)を送ったことがある。手数料はだいたい120円くらい。
相手のフルネームと携帯の番号があれば送ることが出来て、受け取る相手は家の近くの支店で身分証を提示すればお金を受け取れるという仕組み。
ちなみにこのフィリピン人はここパラワン島からマニラに働きにいったがうまく行かずお金が尽きてもう生活できないと連絡してきたのだが、最終的にはお金を返してくれることはなかった…定番のフィリピンあるある
ただ1年後あたりにFBで楽しそうに遊んでいる投稿を見たのでムカついてメッセージを送って返金を催促したらブロックされてしまった…
典型的な恩を仇で返すパターン。。今はもう一切関わってないが、去年になってコロナで仕事がなくなったので前回の分も必ず返すから2,000ペソ貸してと連絡が来る始末。
もちろん無視したがどんだけ恥じらいがなくて厚かましいのか理解不能。だが残念ながらこういう話は本当に多いフィリピン…涙(もうこの手の話はアチコチに履いて捨てる程ある…)
ちょっとグチが長くなってしまったがとにかく手軽にお金を送ったり受け取ったりすることが出来るのである。
ちなみに頑張れば日本からも海外送金という扱いで確か上限5万ペソまで送ることが出来たような気がする。。
ローン
実は質屋のこの看板を見ると下の方に「Palawan Express Pera Padala」とある。
これは先程のお金を素早く送金するという意味の他に素早くお金を借して届けますという意味もある。つまりローンである
普通の人は銀行でお金は借りられないのでこの質屋を使ってお金を借りるというパターンもある。ちなみに今はオンラインアプリでもあっという間にローンの申請が出来るようになっている。
ただし無担保なので金利は高い。例えば1,000ペソ借りたい場合は1ヵ月で返せる場合でも150ペソが金利のような形になるので15%。
しかも実際に現金を受け取る際にもその受け取りに利用する店に手数料を払うので実質の受取額は970ペソくらいになる。970ペソ借りて返済は1150ペソ。
金額が大きければ大きいほどこの金利は恐ろしくなるのだが、お金の工面が出来ないフィリピン人の多くはその辺は深く考えずに借りる。
ただ少額でも借りる必要のある人がちゃんと期日内に返せるかというと中々難しい場青が多い。
しかし質屋はこれを逆手にとってもし期限内に返せなければ同じサービス内でいろいろやり方で、返す為に借りるを繰り返してもらうという感じになっているみたい。
算数が苦手なフィリピン人相手だからこそ出来る技だがなかなか商売上手
無担保なので大金は借りられないことがほとんどだが、その日暮らしのフィリピン人にとっては1,000ペソでも3,000ペソでも大金。
そして知らない内に元本と同じ額は払いきっているのにまだ返済が続いているということもザラ
ちなみにフィリピン人達が個人間でお金の貸し借りはこれ以上に結構エグイので気になる人はコチラを…
支払い場所として
この質屋さん。私がよく利用するパターンは電気代と水道代の支払い。
日本とは違って口座引き落としとか振込みとかが出来ないという不便なパラワン島。
なので毎月電力会社と水道会社に支払いに行かなくてはいけないのだが、支払い期日内であればこの質屋にもっていけば手数料20円くらいで両方一気に支払えるのである。
なので先ほどのお金の送金関係と、この支払い関係で一般のフィリピン人がたくさんいるのである。
ちなみに初めて行った時はどうするのか勝手が分からなかった。しかもローカルフィリピンあるあるで客は基本的に放置プレイ。
この銀行よりも敷居の低い、いろんなお金のやり取りが行われる空間こそ本当のフィリピン劇場。
フィリピン
もしフィリピンってどんなところ?フィリピン人ってどんな感じ?と表ではなく本当の裏面を知りたい人がいたらこの質屋のイスに腰かけて3時間くらい観察していれば参考になるかもしれない…
ちなみにレートは悪いけど実は両替も可能。ただし今は支店によっては米ドルだけしか受け付けてくれないかもしれないので需要のない日本円は無理かもしれない。
ということで今日はフィリピンの質屋であるPALAWAN PAWNSHOPについてでした。また次回のブログもお楽しみに!
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