フィリピン最後の楽園パラワン島 日常編

日本と全然違う!そんなパラワン島での暮らし / 2017年~現在

【誘惑に勝った男】失くした財布が財布が戻るまで / フィリピン

 

失くした財布が返ってくるのはフィリピンではとても珍しいのでニュースになる。

 

落し物に関しては世間一般が持つフィリピンのイメージ通りで、この国ではまず戻って来ないと思って間違いない。そしてそれが大金の入った財布であればなおさらである。

 

今回はこのブログの舞台であるパラワン島で起こった、財布を拾ったお金に困っているフィリピン人男性と、財布を無くしたフィリピン人男性の話。

 

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パラワン島

 

お金を借りる寸前で見つけた財布

偶然財布を拾ったフィリピン人のオルテガさんはその日、友人からお金を借りる為に港近くの公園で待ち合わせをしていた。

 

そこで落ちている財布を見つけたのである。中身は24,000ペソ、日本円で約5万円。

 

フィリピン人の平均月収が33,000円と言われているので大金である。

 

財布を無くして諦めたフィリピン人

一方財布を失くしたのは島でお店を営むゲレロさん。自転車でその公園の出店で買い物をし、そのまま市場に移動した時に財布が無いことに気が付いた。

 

フィリピンに住む私もそうだが、失くし物をした時、思い当たる場所を探しても見つからなければ盗られたと諦めるしかない。その場合、警察にも行くこともない。

 

散々探したあげく、ゲレロさんも諦めて家に帰ることに。

 

強い誘惑

一方、平均月収を遥かに超える金額、そしてお金に困って友人から工面してもらう直前のタイミングで財布を偶然見つけたオルテガさん。

 

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本人曰く「確かに強い誘惑にかられた」と言っていようにかなり迷ったそう。しかしこれは「試されている」とも思ったそうだ。

 

そしてオルテガさんは家に帰り、フェイスブックで使って財布の持ち主を探し始めた。

 

持ち主を見つけるのは簡単、なぜなら財布には現金だけではなく、キャッシュカード、免許証などが入っていたので、持ち主であるゲレロさんの連絡先を知っている人、もしくは本人を探しているという投稿をするだけ。

 

そしてそれがフェイスブック内ですぐに700回以上シェアされて、ゲレロさんの友人の目に留まることになった。

 

 

 

失意の中の電話

財布を失くして意気消沈のゲレロさんのスマホが鳴ったのは家に着いてわずか5分後。発信者は先程のフェイスブックの投稿を見た友人。

 

財布を拾ってくれて探している人がいる

 

それを聞いて言葉を失ったゲレロさん。私もこのニュースを聞いて同じように言葉を失ったのでと当の本人はもっと衝撃的を受けただろう…

 

持ち主に戻った財布

その後、オルテガさんとゲレロさんは連絡を取り合い、近くのショッピングモールで会い、財布の受け渡しをした。

 

報道ではお礼については触れていないし、詮索するのは無粋なので避けるが、ゲレロさんは「感謝してもしきれない」と話している。

 

フェイスブックから広がったこの話は地元のニュースになり、そのインタビューでゲレロさんがこう言ったそう。

 

「私たち皆がもし、心に巣くうありとあらゆる悪い誘惑を取り除くことが出来るとしたら、心の奥底から平和を得ることが出来きる…、きっとそこは明るく幸せな人々で溢れているに違いない」

 

 

おわりに

 

コロナ渦の影響で世界中の多くの人が苦しい経済状況に陥っている。

特にフィリピンは感染者が30万人を超え、世界最長の6ヵ月を超えるロックダウンの真っただ中である。民間の調査会社の発表では今フィリピンの失業率は45%。お恥ずかしい話だが私自身も失業して収入はない。

 

そんな状況の中、財布をそのまま盗ったって警察が捜査する訳でも、防犯カメラがある訳でもないので誰にも分からないし、そもそもフィリピンはそれが当たり前の国なので騒ぎ立てる人はほとんどいないだろう。

 

綺麗ごとを言うつもりはないのではっきり言うと、今回の出来事の結末ようなことはフィリピンではほとんど起こらない。

 

ただそれだけに素敵な話でもある。

 

 

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2年前はこんな事がありました

palawan.hatenablog.com

 

 

パラワン島の動画も⇓にあるのでぜひ見てください!