4ヵ月遅れの新学期
東南アジアでもっともコロナ感染者数の多いフィリピンはパンデミックの影響で3月中旬から小中高の学校は休校になり、そのままその年度を終了。
そして通常であれば6月に新学期のはずが、それも叶わず一度は8月24日に延期されたが、結局再延期を得て今日10月5日に新学期開始となった。
ちなみに今日はワールドティーチャーズディ(世界教師デー)なので結果的にそれに合わせた格好になった。
対面授業はまだ
ただし新学期が始まったといっても以前のように学校に通うということは現段階ではなく、今はSLMs(Self-learning modules)という言わば宿題のようなものを家で行う形。
数ヵ月前にドゥテルテ大統領がワクチンが開発されない限りは学校再開はしないとしきりに言っていたが、あまりに期間が長いといろいろと弊害も大きくなるので、とりあえず新学期は形式的にスタートさせたという感じだろう。
公立学校の先生には特別手当
前述したようにワールドティーチャーズディということでフィリピンの公立学校の先生(約88万人)には約2,200円が特別支給され、さらにコロナ関連の手当として1,100円が上乗せされて合計3,300円が支給されることになっている。
たったの3,300円?と思うかもしれないが、月給が3~4万円前後なのでおこづかい以上の価値になる。
宿題は自分でやらない
先述したSLMsという宿題のようなものだが、実は数ヵ月前から始まっていたので新学期が開始されたといっても実際の学校生活には変化はない。今までと同じように家にいて与えられた宿題を行うという感じ。
ただ私が今までによく見た光景では、宿題を親がやったり、年上の兄弟がやったりすることはフィリピンでは多い。
どんな感じか隣に住む高校生にそのSLMsとやらのことを聞いてみたら、難しくて出来なかったから大学生のお姉ちゃんにやってもらったと言っていた。
ただ本人にも言い分はあって、そのSLMsは問題だけ書かれていて特にそれを解くための肝心の知識を習っていないということだった。それが本当ならなかなかフィリピンらしさ全開である。
フィリピンの不思議な公立学校
フィリピンの公立学校は試験のようなものに合格しないと進級出来ない仕組みになっている。なのでどうしても進級出来ない状況になったら親が担任の先生とお金の話を絡ませてアレをアレして解決することもある。
ちょっと昔の話になるが私の知人のフィリピン人は高校時代に登校したのは年に2回だけで、もちろん進級要件を満たせず、学校のリクエストのもとに校舎の脇に小さな手作り倉庫のようなものを自ら建てて進級させてもらったという逸話をもっている人物もいる。
日本では考えられないこんな嘘みたいな話は結構聞いたことがあるのだが、フィリピン人の算数レベルを身近に感じてきた私としてはある意味納得。
余談だがフィリピン人の多くは計算が大の苦手である。本当にビックリするくらい出来ない。大人も分数の計算が出来ない人は多いし、九九も相当怪しい。
そもそも通常の長い夏休み期間などに一切宿題が出ないという子供天国なので、せっかく習ったことも夏休み期間中に遊びまくってココナッツツリーの向こうの水平線へ消えていく。
経済的に学校に通えない子も
少し真面目な話をすると、経済的理由で公立学校にすら行けない子供も多いフィリピン。さらに田舎の奥の奥の方になると交通機関がまったくないのでそもそも地理的に通学が不可能な子もいる。
途中から学校に通えるようになる子も多いのだが、その場合実際の年齢の学年ではなく、その子の学力に合せた学年に入れられることも多い。
なので小学3年生のクラスに12歳の同じフィリピン人の子がいたりすることもある。確かに今まで学校に通うことが出来なかった環境の子は勉強というものをしたことがない場合も多いのでいきなり6年生になっても難しいので仕方のない措置ではある。
最後に
何はともあれ新学期が始まったフィリピン。子供達も長い長いロックダウンで退屈していると思うので、コロナ渦が収束するか、with コロナで以前のように学校に行ける日が早く来てくれることを願う。
ちなみにフィリピンの学校のことやフィリピン人の学力のことをいろいろ書いたが、もちろん優秀なフィリピン人も多く、彼らは私なんか足元に及ばないくらい本当に優秀なので誤解のないように最後に付け加えてから今日の話は終わりにします。
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