迫る国民投票
来たる3月13日にパラワン島をメインアイランドとするパラワン州を3つの州と1つの市に分割する国民投票が行われる。
当初は2020年5月を予定していたがさすがにコロナ禍の真っただ中ということで延期になり今年にずれ込んだ格好になった。
ちなみにフィリピンでのパラワン島(州)の位置はコチラ
フィリピンにたくさんある州としては最大の州だが人口は100万人に満たない田舎で今回の国民投票の有権者数は約50万人
こんな感じで3つの州と市に分割しようとしている。
ちなみに以前のブログで現在の州知事の思惑を書いて好評だったが今回はそれも踏まえて分割することによる問題を簡単に紹介してみるとしよう
南沙諸島
ここパラワン島は先程の地図で見ると分かる通り、7000を超える島からなるフィリピンの中でも巨大で島の西側は南シナ海に面している。
先に真面目な話をするとこの南シナ海、パラワン島の西側約450kmには中国とフィリピンが領有権を争っている南沙諸島があるのだ
まだ大規模な軍事衝突はないものの、ドゥテルテ大統領率いるフィリピンとあの中国なのではっきり言って一寸先は分からない
つまりパラワン島は地理的にこの南沙諸島での領有権争いにおける重要な島として位置づけられているのである。
個人的にはこの南沙諸島を海を挟んでお隣のベトナムあたりと領有権を争うのなら話はまだ分かるが遠く離れた中国が主張しているというのはちょっとさすがに無理やりな感じがしてならない。
パラワン島の弱体化
話をパラワン州の分割問題に戻すと国民の過半数が賛成すれば3つの新しい州と1つの市はそれぞれが独立した行政を持つことになる。
もともと巨大な面積なのに人口がそれほどではないところに4つも異なる自治体が出来ると対中国への防衛力が低下する恐れが指摘されている
これは中国からすれば4つも自治体が出来るのでその内のどこかの自治体のお偉いさんと秘密裏に接触を持つ機会が増えるし、お決まりの賄賂で彼らを手のひらで転がすということもより簡単になってくるので今頃は賛成多数で可決の投票結果を待ち望んでいるだろう
お金持ちの現パラワン州知事は有利
先程紹介したブログでも触れているが現在のパラワン州知事はお金持ちだ。
そして自分の任期が終わった後も新しい州でのポジションを欲している
そしてフィリピンでは選挙と裏金は公然の秘密なので「賛成・反対」という二択の投票で住民にお金を配って賛成票を入れさせるというのは難しくないというかもう慣習
毎日その日暮らしが多い島民なので賛成票を入れるだけで日当くらいのお金がもらえるのであれば集落レベルでみんなで投票する可能性も高い
しかしもちろん声高に反対を唱える人もいる訳だがコロナ禍もあってか今のところヒットマンの犠牲者は出ていない
そもそも現在の州知事は次から次へと悪い話が出てはうやむやなっているような人。
フィリピンなのでいつも真相は闇の中だが最近だと15年前に代表を務めていた水道関連会社と水道局との約4億円の謎の契約がアレコレ言われていた。
ちなみにこの契約を前後するように水道局職員数名が新車で出勤するようになったくらい便宜をはかったらしい…
ということでお金を配って強引に賛成多数で思惑通りに事が進む可能性は高い
まとめ
ちなみにパラワン島を含む南沙諸島近辺には豊富な天然資源があり、分割案が可決されるとその辺の管理も怪しくなってくると思われる
個人的には今でも面倒な行政手続きを含む役所の対応が絶対に混乱すると思われるのと、本当にわざわざこの島を分割する必要なんてないと思っているので反対。
ただ投票権はないので結果を待つのみ。
今回はコロナパンデミック中の国民投票ということもあってソーシャルディスタンス確保のために一億円が投票施設関連対策として追加されたみたいだが形だけのソーシャルディスタンスで一歩投票所を出たらみんな仲良くひっつきながら家まで帰るのでお米でも配った方がよっぽど生産的だろう
何はともあれ投票日まであと4日。低気圧も近づいてくるらしいので嵐の予感。
例の如く当日は酒類の販売と提供は禁止されるのかな?
おわり
※このブログはブログランキングに登録中です。応援していただける方はぜひこちらをクリックお願いします!