このブログはフィリピンの西にあるパラワン島よりお届けしています。
パラワン州を3つに分割
いつもフィリピンのパラワン島と呼んでいるけど実はパラワン島はパラワン州のメインアイランドであり他にもたくさんの離島も含まれる。
現在はそれら全部含めてパラワン州となっていてフィリピンでは最大面積の州なのだが、これを3つの州に分割するかどうかの国民投票が来年2021年初旬に開催される予定。
後述するが、この国民投票がお金と血の匂い漂うただならぬものなのである…。
投票権があるのはパラワン島民の内の推定50万人。
ちなみにパラワン州の州都は私が住んでいるプエルトプリンセサ市で、3つの州に分割された場合、3つの新しい州とその市の実質4つからなる地域が出来上がる予定。
なぜ?
なぜ3つに分割するのか、それは現在の州知事であり政治家のアルバレスさん(76歳)の思惑。
このアルバレスさんの評判はお世辞にも良くない。ただお金持ちである。そしてフィリピンではお金持ちは不可能を可能にすることが出来る不思議な国なのである。
現職の任期が切れてしまうと再度州知事にはなれないので、州を分割して新しく出来た3つの州のどれかの州知事になって再度ウハウハで左うちわをキープしたいのだ。
そして去年の2019年4月に友人であるドゥテルテ大統領が州の分割案にサイン。そしてコロナパンデミックで一度延期した国民投票を来年行うという運びになった。
反対多数でも…
もちろん州を分割する大義名分はいろいろあるのかもしれないが、はっきり言ってよく分からない。たぶん予算がどうのこうのだろう。あとは地理的な問題もあるのかもしれない。
ただ私調べでは特にこれといった理由はないし、多くの人が事前調査では反対多数である。みんな思惑を知っているのでわざわざそんなことをする必要はないと思っている。
しかし同時に多くの人は高い確率でこの国民投票は可決されると思っている。
なぜなのだろう?この矛盾ができる理由はフィリピンの選挙にある。
買収
現州知事のアルバレスさんはお金持ち。キレイな資産と隠し財産がいくらあるのか知らないが、このお金を使って票を買うのである。
選挙の際にお金が配られるのはフィリピンでは公然の秘密。票を入れてくれたら1,000円とか2,000円とかその辺の町長選でも普通にやっている。
この辺りの最低日給は約700円なのだが、ほんの一部のハイエンドとミドルクラスな人々を除き、大多数の家庭は貯金もなくその日暮らしという感じなので買収は簡単。
それぞれの村に仕切り役のような人達がおり、彼らにもお金を配って独自の選挙システムで勝利するのである。
ヒットマン
もちろん反対と異を唱える立派な人もいるが、あまりやり過ぎると命の危険がある。
今回に限らずだいたい選挙があると敵対する人が硝煙の匂いと共に虹の向こうへ行って帰ってこなくなることはよくある。
幕末の雰囲気が漂う難国、南国だが、実際にフィリピンには一発いくらのアマチュアヒットマンから数十万円で雇えるプロもいる。今回の国民投票でも来年までにヒットマンが暗躍する可能性は高そうだ。
おわりに
先週くらいにドゥテルテ大統領が国の腐敗に嫌気がさしてもう辞任するとか文句を言っていたが、そんな話が多いのは事実。
最近もコロナ渦に乗じてフィリピンの3大社会保障の一つである国民保険組合にあたる組織がとんでもない金額を横領していたが、その一件で支払いを辞めた人も多い。
ただこれも法で裁かれるかというと必ずしもそうではない。既に数十人が辞職しているが、そのまま真っ黒な真相は闇の中。関わっている人が多すぎて下手に叩くと自分の身に降りかかる人が続出してしまう。
とにかく来年の国民投票はコロナ渦が収まってなくても強行するそうなので結果が出たらまたお知らせします。
おわり
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政治はアレだけど自然は美しいパラワン島。島の様子を撮った動画もぜひ見てください(約2分)。
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