フィリピン最後の楽園パラワン島 日常編

日本と全然違う!そんなパラワン島での暮らし / 2017年~現在

【スローバック】封鎖された町でパンデミック前を思い出す / パラワン島

 

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フィリピン パラワン島

ここはフィリピンなので挨拶はお辞儀じゃなくて握手。親しい間柄の場合はその後に軽くハグをしたり手を肩に回す。

 

外国人の入国禁止が今月4月末まで延長されてほぼ鎖国状態が続くフィリピン。

 

私の住んでいるパラワン島の町も感染拡大の影響で昨日からまたロックダウン

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赤枠が封鎖エリア

人と会った瞬間の挨拶は何とも言えないもどかしさがあってまだ慣れない。

 

今はもう握手をすることは無い。触ってしまうとウイルスに感染してしまう可能性がある。

 

握手文化は日本式のお辞儀だけよりも好きだった。実際に相手の身体の一部に触れるというのはお辞儀では読み取れない相手の感情をその手のひらの体温から読み取ることが出来る。

 

日本人旅行客を乗せたバンが空港から出発する。

 

ハンドルを握るドライバーは彼の母親も含めてよく知っているフィリピン人で彼の子供が生まれた時はお祝いもした。

 

現地で旅行代理店を営むそのフィリピン人一家は信用出来る。数々のエージェンシーと付き合ってきたが関係を長く続けていけるかそうではないは1,2回仕事すれば分かる。

 

フィリピンで信用に値する仕事をしてくれるところはほんの一握りだけ。会社の規模はまったく関係しない。

 

空港からは長旅。安全は絶対条件。レースをしているみたいにスピードを競い合う多くのドライバーは私からするとプロでもなければ素人以下。

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パラワン島プエルトプリンセサ空港

出発の前にドライバーに何度も安全運転だけは確認する。彼はその意味を分かっているし、分かっているから私のお客さんを乗せて運転している。でもそれでも毎回毎回確認する。

 

そして最後に握手をして出発を見送る。私は握手に祈りに似たものを込めてギュッと握る。そうすると彼は「もう分かってるから」と目で笑い、目的地に着いたら電話すると言ってゆっくり車を出発させる。

 

もうすぐゴールデンウイーク。本来なら忙しくて朝ご飯は取らずに昼と夜も5分で済ますくらい忙しい時期。

 

でも去年から空港は閉鎖されている。あんなに行っていた空港にはもう1年以上足を踏み入れていない。様子を見たくても入ることも出来ない。

 

いつもお客さん待ちしていた到着ゲートの上にぶら下がっていた電光掲示板も今は電源が落とされているのだろうか。

 

あのフィリピン人一家はバンを手放すことになってしまった。ローンが払えなくなり銀行にとられてしまったのである。

 

今は残った小さな自家用車とバイクを使って配達を請け負う御用聞きでなんとか凌いでいるがデリバリー関係はコロナ禍で競合が多くて厳しい。

 

何とかしてあげたいがこっちも苦しくて何とも出来ない。

 

飛行機の到着までは空港のすぐ外で待機してもらっていた。ずっと車を停めていると注意されるし、パーキングに入れるとお金がかかる。

 

乗客が到着ゲートからポツポツ出てくるタイミングでドライバーに電話を掛ける。

 

駐車場で待っていた一般の車や他のエージェンシーのバン、それにホテルの送迎車も一斉に到着ゲートの付近に集まり始める。

 

私はいつもの通りゲートの横にある赤いATM付近に陣取って日本人を探す。

 

彼らを見つけたら混雑を避けて100mほど先に停めたバンまで一緒に移動する。この100mを歩く間に初めましての挨拶といろんな会話をして安心してもらわないといけないので最も大事な時間。

 

出発を見送ったらいつも2,3分はその辺に腰を下ろして休憩する。気を張っていた時間から解放させて、また次の仕事場まで移動する。

 

そしてまた仕事モードのスイッチを入れて次の場所で待機しているドライバーやツアーガイドの所へ行き、最終の打ち合わせをしてまた最後に握手をする。

 

特に午前中は空港や市街地から一斉に多くのバンが北に南に向かい始める。

 

今はもうそんなバンは見かけなくなってしまった。同じように銀行に差し押さえられたり、それぞれの駐車場でいつか観光客が戻ってくるのをただじっと待っている。

 

よく仕事をしたツアーガイドのフィリピン女性は最近やっとコールセンターの仕事にありついた。シングルマザーでまだ小さな子供がいるが夜間のシフトに割り当てられているので大変そうだ。

 

それでも明るく笑っているので子を持つ母親は強いと思ったし、フィリピン人の生命力も恵まれた日本で育ってきた私とは土台が違うので強い。

 

またいつか彼らと仕事をする機会があるかは今のところは分からない。コロナ禍が終わりニューノーマルというのがちゃんとやってきても世界は大きく変わってしまったからまったく同じように戻るという保証はない。

 

先日マスクをつけ忘れてバイクを運転してしまっていた。

 

口元にダイレクトに当たる風の感触が懐かしくてふと1年前の日常を思い出した。

 

 

 

 

 

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