「ん?警察?財布なんて戻って来ないよ。もうギブアップね!」
これは以前に財布を無くしたというフィリピン人に「警察行ったの?」と聞いた時の彼の返事。
そう、ここはフィリピン。無くした物が戻ってこないどころか、所持している物が盗まれる国だ。
もし落し物を届けたら地域のニュースにだってなる
ちなみに2018年にパラワン島で起きた美談の一つに教会のガードマンがお金を見つけて盗まず警察に届け出て市長に表彰されたというのがありニュースになって私も衝撃を受けた。
詳細を知りたい方はこちら
ただ冒頭の彼が言うに、一般的には落としたものは戻ってこないのが基本なので警察に行っても仕方がない、諦めると。確かにこれは真実に近い。治安の善し悪しというより地域性という感じで、落し物が戻ってくる日本の方が世界的に珍しいらしい。
幸い私自身は物を無くしたことはないが、今まで数件、日本人旅行者が「〇〇が無くなりました!どうすればいいですか?」ということで対応したことがある。
パスポート、財布、スマホ、GoPro, etc...
その際には、頑張れば見つかりますよ!みたいなスタンスではなく、基本的には「災難でしたね、、、た、たぶんもう出てこないと思いますので、、、(な、なんかすみません…)」という感じ。期待しても仕方がないので真実を伝えるのが一番、そしてもし無くした物が諦められるものならそれで終了だ。
ではそれ以外の諦めきれない物、もしくは超重要な物の場合はどうするか。
例えば、通常、パスポートの類や保険会社の請求用にはポリスレポートが必要なのでここで初めて警察に行く必要性がある。
ただその前に弁護士さんにAOL(Affidavit of loss)という書類を作ってもらってそれを警察に見せる必要があるのでまずは弁護士事務所。
ちなみにこのAOLは「〇〇を無くしたのは本当です、嘘ついてません」という感じの書類で、その辺の弁護士事務所に行けは300ペソ前後で作成してくれる。それがないとポリスレポートは基本的にはもらえない。
そのAOLを持って警察署に行くが、無くした場所によって管轄の警察署も異なるので、それをまず調べる必要がある。ステーション1管轄の場所で紛失や盗難の場合はステーション1に行く、間違ってステーション2に行っても作成はしてくれない。
ちなみにフィリピンの警察署はたまに「こ、この建物?」みたいな感じの見た目の時があるので注意が必要。
あとこれも余談だが、置き忘れ等の場合は意外に多くの監視カメラ(フィリピンではCCTVと呼ぶ)が特に主要交差点、主要道路に設置されているので、それもチェックすると役立つ場合がある。
監視カメラは警察管理の物だが、各警察署にモニターがある訳ではないので、モニターが見れる場所に行かなければならない。場所が分からなければ問題が発生した場所のバランガイホールに行って尋ねれば教えてくれる。
あとポリスレポートだが、担当者不在とかですぐにもらえないことがあるものフィリピンの洗礼の一つ。ちなみに監視カメラも機材の問題で録画されている動画が飛び飛びで肝心な瞬間が映っていないということもあるので、その辺も運命に身を任せるしかない。
話を戻すと、この一連の手続きの他にラジオ局に行くというのがある。毎回ラジオ局に行くわけではないが、トライシクルに物を置き忘れてたとか、という場合には有効。
他のフィリピンの地域がどうなのかは分からないが、ここパラワン島ではラジオ局に行けば、無料で内容をラジオに流してくれる。
私も最初は「ら、ラジオ?今時ラジオなんかみんな聞いてるの?」思ったが、ドライバーはよく聞いているらしいし、よく考えたらラジオは完全無料で情報を得ることが出来る。実際ラジオで呼びかけて紛失物が見つかったケースも少なくないらしく、なんだかフィリピンへの謎はますます深まるばかり・・・。
ちなみに私も以前旅行者の方がトライシクルに忘れ物をした際にラジオ局に行って実際にラジオで流してもらったが、その時は見つからなかった・・・(残念・・)
いろいろ書いたけど、とにかくここはフィリピン。旅行で来る際、また住んでいる場合も、紛失には注意しなければならない。
実際そうなった場合に、慣れていてもスムーズに事を進めるのはかなり労力が必要だし、行かなければいけない場所もあっちこっちで時間もかかるし、土地勘も必要。また担当者不在で出直しなどもあるので運も必要。ただ多くの場合、警察にお世話になるような日は当然ツイてないので…、期待しないという感情のコントロールとパニックにならないといことが最も重要。
何はともあれ紛失には注意しましょう!