【前回のハイライト】
オムライスがフィリピン人にウケている?そんなニュースを見て思い付きでここフィリピンのパラワン島のその辺の路上でオムライスの屋台販売を始めた私。試食会で出会った見知らぬおばさん1号を伴って島一番のコールセンターの前に屋台をドンと構えた。
第一話の詳細は⇓
おばさん1号はフィリピン人にしてはかなり無口だった。以前に出身がどこかと聞いたら「マウンテン」と言っていたのできっと島のどこかの山奥なのだろう…
ここパラワン島で山出身と答えるのはガチで山の住人。山の常識と平地の常識はいろいろ違うのできっと異文化交流になる…当時そんなことをのん気に思ったような思わなかったような…汗
とにかくコールセンターの前の私達の準備は万端。あとはお客さんを待つのみ。
すると早速初めてのお客さんらしき人が遠くからまっすぐコチラを見て近づいてくる。
幸先のいいスタートを切れそうな予感がした
そして屋台の目の前に到着するなり注文が入った
「ここで勝手に屋台出したらダメ!」
!?
警備員!?
しまった!と思った時にはもうその警備員はめんどくさそうに早く屋台をどけろと手をヒラヒラさせている
注文は注文でも違う種類の注文
適当なフィリピンなのでワンチャンイケるかなと思ったがさすがに駄目だった。せっかくセットした屋台を畳んで行き場を失う私と1号。とりあえずその場を離れる
屋台を押しながらほとんど知らないフィリピン人のおばさんと夕暮れの町を彷徨うのはなかなかシュールだと感じながら南へ移動する。
すると金具屋さんの目の前のスペースが結構空いている。
金物屋の主人にここの軒先で屋台をさせてもらえないかとお願いすると月2,000ペソ払うならいいよということだったので行き場もないのでそこに決めた。
契約書もクソもないけど2,000ペソで誰にも文句を言われない場所の確保に成功
屋台を再度セットして一応どうぞ宜しくという意味で金物屋の親父にオムライスを一つサービス
タダ飯+臨時収入で美味しそうに食べていた…
そろそろ本腰を入れてオムライスを売らないと…ということでその辺を歩く人に声をかける。
日本人とオムライスが珍しいのか40ペソの小さなオムライスを結構買ってくれる。1時間くらいで10個程度売ることに成功。
売上400ペソ。1号の給料が250ペソなので材料費や移動費を入れるとまだ赤字。
ただ放っておいても何だかそれなりに売れそうだったので私は一旦用事を済ませる為に家に帰ることに。私がいなくても売り手も買い手もフィリピン人同士、きっと問題ないはずだ…
頼むよ1号さん、そう言い残して屋台を後にした。
ーーー3時間後の22時ーーーー
最終の売上げチェックに再度金物屋の前に到着。
しかし屋台はもう畳まれてあるし1号もいない。
どこだ?
よく目を凝らすと1号がシャッターの降りた暗い金物屋の脇に座っている。やはり気配を消すのは平地の人より長けている
それはともかく1号の足元には8歳くらいの子供…
どうやら実の息子らしい
そしてオムライス2個くらいあげたらしい…
さらに1号も2個くらい食ったらしい…
そして客が来なくなったので屋台を早めに閉めたらしい…
そして帰ろうと思ったが帰り賃がないらしい…
もう言っていることがよく分からないが約束の日当250ペソをあげて初日ということでその日は帰ってもらった。
オムライス4つ分を給料から天引きしようか迷ったが止めた…おれはそんな小さなことはしたくない。40ペソのオムライスくらい食いたければいくらでも食えばいい。
暗闇の中、さっきまで1号が座っていた金物屋のシャッターの前に腰を下ろして畳まれた屋台を見つめた。
まぁいい…明日からまた頑張ろう、そう呟いてその場を後にした…
ーーーー翌日の夕方ーーーーー
屋台の場所に行くと既に1号がいた
1号だけじゃなくて例の息子もいた
そして知らない赤ちゃんもいた…
!?
赤ちゃん!?
1号に赤ちゃんのことを聞くとどうやら姪っ子の子供らしい。
別に誰の赤ちゃんかなんてどうでもいいのだが、問題はなぜここにいるのか…
脳内では1号とまだ首も座っていない赤ちゃんとオムライスがグルグル回っていたがもうこの場に存在する赤ちゃんのことをアレコレ言っても仕方がない。
きっと世話する人がいなくて連れてきたのだろう…
みんなで世話するのがフィリピンと聞いていたのできっとこれもその一つ…
しかし赤ん坊を抱いていては肝心のオムライスは作れない。
ということで代わりに私が赤ん坊を抱っこし1号がオムライスを作り、お腹が空いたら8歳の子供と一緒にみんなで売れないオムライスを食べる、そんな役割と流れが自然と出来た…
もはやこれは屋台ではなくまるで家族だんらんのオムライス路上ピクニック状態…
私がお父さんで1号が奥さん、子供が2人の構図…汗
こんなの知り合いに見られたら変な噂が立ってしまう…
仕方ない…今日はもう終わり!!
排気ガスまみれで赤ちゃんも病気になってしまう…
ということで1号には絶対に次から赤ちゃんを絶対に連れてこないでと伝える。出来れば息子も何とかならないのかとも付け加える
無言だが頷く1号。
日当の250ペソと卵を2,3個を持たせて帰宅してもらう
あれだけ言えば明日からは大丈夫だろう。きっと平地と外国人のルールに慣れていないだけだ
そんな風に無理やり自分を納得させて、細々と一人でオムライスを売る。
20個くらい売った所でまだやらなければならない事があるので家に帰る。
そんなこんなで2日目が終了。
ーーー翌日(3日目)ーーー
屋台の前に行くとなんか知らないおばさんが座っている…
恐る恐る近づくと私にオムライスを勧めてくる…
誰だこのおばさん…
OMUストーリー第三話に続く…
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