フィリピン最後の楽園パラワン島 日常編

日本と全然違う!そんなパラワン島での暮らし / 2017年~現在

【アイランドホッピング】パラワン島・エルニド最新情報 / 旅行に来る方へ

 

パラワン島エルニド

 

 

フィリピン・パラワン島北部エルニド

エルニドはフィリピンはもちろん世界中から観光客が訪れるパラワン島北部の町です。

海が綺麗なだけでなくロックフォーメーションと呼ばれる海に浮かぶ岩肌むき出しの景観が圧巻で一生に一度は訪れる価値のある場所として人々に知られていますが、そのエルニドでは2018年末から新しい条例や新ポリシーといった形でいろいろな変化があり、それは観光する上でも知っておくべき内容となっておりますのでエルニドへ旅行される方は事前に確認していただければと思います。

 

環境保全と過度の混雑の抑制

2018年に日本でも話題になりましたが、フィリピン有数のリゾート地であるボラカイ島が6ヵ月間突然閉鎖されました。理由は環境への配慮を怠っていた為です。

実際にフィリピン各地では下水の垂れ流し、リゾート地の開発など、環境にやさしいとは言えない状態が続いています。ボラカイ島の件は南国の綺麗な海を守る為の大統領による力業とも言える処置となりました(実際には事前に何度か警告がありました)。

現在では閉鎖は解除されていますが、観光資源が豊かで重要なフィリピンでは自然保護、環境保全に対して厳しくなってきております。

 

ではエルニドは

2018年末にエルニドにも6ヵ月のリハビリテーションを実施するということが決定されました。かねてよりいろいろと改善点がありエルニドの行政はそれに対して素早く対応していた為、ボラカイ島のように急に閉鎖されるような事態にはなりませんでしたが、これをきっかけにエルニド行政は新たな規制、変更を設けました。

 

知っておくべきエルニド条例

・アイランドホッピングツアーへのお酒類の持込み禁止

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アイランドホッピングツアーへのアルコール類への持込は禁止となりました。ただツアー中に訪れる一部の島ではビール(100ペソ~)やカクテルが売られておりますのでそこでは購入することが可能です。またカヌーに乗った売り子もおりますので缶ビール程度であれば購入できます(不定期)。

 

・使い捨てプラスチック製品禁止(セロハン、発泡スチロール、ビニール袋、使い捨てストロー等)

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現在最も厳しく取り締まっているのがこの使い捨て製品の持込みです。

出艇するボートを見張る監視員もおり、ボートにビニール袋などが見つかると出艇させてくれないといったケースもあります。

 

・買い物の際のエコバックの利用

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エコバック利用の推奨、また全てのお店ではありませんが商品購入後はビニール袋ではなく再利用可能な紙袋が使用されております。

 

・環境税の事前支払い完了義務(観光客向け)

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エルニドの環境税は一人200ペソとなっており、一度支払いを済ますと10日間有効です。基本的には事前の支払いとなり、領収書は通常アイランドホッピングツアー中に渡されます(渡し忘れ、もらい忘れが多いですので、しっかり受け取るようにしましょう)。

 

・ごみのポイ捨て、不法投棄の禁止

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アイランドホッピングツアー中のごみのポイ捨ては固く禁止されております。

 

取り締まりによってここまでお伝えした内容に関係する条例違反が発覚した場合、実際にペナルティが課せられるケースもありますので、しっかりルールを守っていただきますようお願いいたします。

 

ツアーに関わるその他の新ポリシー

その他、エルニドのアイランドホッピングツアーに対しては新ポリシーがプレテストを経て2018年12月1日より施行されました。2020年のコロナパンデミックなどもあり、現在(2022年)までにさまざまな変更が加えられましたが、2018年以前との大きな変更点は以下のようなものになります。

 

・各アイランドホッピングツアーへの参加人数の上限設定

エルニドの主なアイランドホッピングツアーはツアーA、ツアーB、ツアーC、ツアーDの4種類。現在各ツアーには人数制限が設けられております。今までは無制限だったので混雑解消に役立っています。

 

・ツアーの事前予約

ツアー参加者は基本的に事前予約が必要となり、また環境税の支払いの有無、支払者本人かどうかを確認する為、氏名、年齢、国籍などの個人情報の他に、それを証明する身分証明書(パスポート)などの提示が必要となりました。現在ではツアーに参加する際には身分証をご持参いただく必要があります。

 

・ツアーA&Cなどは廃止

以前は通常のツアーA~Dの他にもコンビネーションツアーと呼ばれるツアーA&CやツアーA&Bなどがありましたが、現在は完全廃止となりました。

 

・ツアーAの人気の目的地への入場制限

一番人気のツアーAには2018年12月までビッグラグーンとスモールラグーンという人気の目的地が含まれていましたが、1日にその2つのラグーンへ行くことは禁止され、どちらか1つのみとなりました。その為現在のツアーAは「ツアーAビッグラグーンコース」「ツアーAスモールラグーンコース」「ツアーA標準コース」の3種類となりました。
また以前はツアーボートでラグーン内に入れましたが、現在ではいずれのラグーンへの入るときにも手漕ぎのカヤックでしか入ることはできません。
従ってラグーン内に入るためには、ラグーンに着いてからカヤックをレンタルする必要があります(レンタル代は約400ペソ前後・2人乗り可)。またラグーン滞在可能時間も約1時間に設定されています。
※2022年時点で「ツアーAビッグラグーンコース」「ツアーAスモールラグーンコース」「ツアーA標準コース」はなくなりました。
ビッグラグーンに行くにはツアーAのご予約、スモールラグーンに行く場合にはツアーDの予約が必要になります。

 

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・ペットボトルの持込み禁止

お酒類だけでなく、ツアーにペットボトルに入った飲料の持込みも禁止になりました。ランチの際にはミネラルウォーターが配られますが、ツアー参加者はいつでも水分補給できるように水筒やウォーターボトルなどに水を入れて持参する必要があります。

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これらは持ち込み禁止です。

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金属製水筒や上記のようなウォーターボトルは持ち込み可能です。


 ・ビニール袋の持込み禁止

こちらも環境への配慮から禁止されております。その他、使い捨て製品全般、タバコも禁止されておりますが、ビニール袋、ペットボトル以外はゴミ(吸殻等)をきちんと持ち帰れば実際は持参することは可能です。

 

・サンゴに関する規制

サンゴはとても繊細でダメージに弱い為、触ったり踏んだりすること、採取することは環境破壊となりますので厳しく禁止されております。サンゴだけでなくヒトデなどの生物も同様ですので気を付けましょう。

 

 

今後について

環境に無配慮な状態が続くとこの世界的に稀有で綺麗なエルニドの海もすぐに悪化します。今後も持続的にエルニドの海をみんなが楽しめるようにするために、環境への取り組みを意識し、次に来る人にも同じように素晴らしい体験ができるように決められたルールを守りましょう。

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タバコの吸い殻は10年、空き缶は200年の年月が自然に分解されるまでかかります。ペットボトルは永遠に分解されずに海に残ります。

 

【備考】

2020年3月からのコロナパンデミックにより、長い間アイランドホッピングツアーは中止されておりました。

現在は再開催されておりますが、1年以上にわたるツアー中止期間と観光客の激減期間によって、エルニドでは今でもパンデミック前のオペレーション体制に完全には戻っていません。

観光業スタッフ離職に伴う人手不足・度重なる規制や新たな制限・さらには2021年末にパラワン島を襲った台風22号による施設やツアーボートの被災など、さまざまな要因で「完璧」なオペレーション体制を業界全体で行うのが難しくなっています。

もともとの「南国気質」のお国柄にこのような背景も加わり、日本のスタンダードと比べると至らない点が非常に多いですが、そんなフィリピンを理解し尊重することも旅行者である外国人には必要です。

ぜひ旅行中は「おおらかな心」を持って、フィリピン滞在を楽しんでいただければと思います。

 

 

パラワン島旅行の感想はこちら

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