コロナ渦で失業した多くのフィリピン人
東南アジアで一番のコロナ感染国となっているフィリピンは9月26日、総感染者数が30万人を超え、現在の死者数は5,344人となっている。
6ヵ月を超える世界一長いロックダウンで経済への打撃も深刻で、多くのフィリピン人が職を失い失業している。
葉で肖像画
ところでジャックフルーツという果物をご存知だろうか。世界最大級の果物で、木に実として生る果物では世界最大。一般的なサイズでも人間の頭よりも大きく、最大級になると80cmを超えるものもあると言われている巨大フルーツ。
Photo by Gliezl Bancal on Unsplash
よく熟したものだと甘く、匂いは好き嫌いが分かれる日本ではあまり見かけないフルーツ。
このジャックフルーツの木の葉を使って肖像画を作るフィリピン人女性が話題になりました。
この写真のモデルはフィリピンのドゥテルテ大統領。写真と見比べてみると…
コロナ渦で失業したフィリピン人女性
ジャックフルーツの木の葉からこのアートを作ったのは元工場勤務のフィリピン人女性Mary Mae Dacanayさん(23歳)。彼女はコロナの影響を受け、職を失った多くのフィリピン人の中の一人である。
失業した後、趣味と気晴らしを兼ねて家で肖像画を作ろうとしたのだが、町はロックダウン。必要な道具も満足に買いに行けない状況で、家の外にあるジャックフルーツの木の葉をキャンパスにすることにしたのである。
葉を精巧に切り取り、有名な人物の顔を中心に制作。試行錯誤の末にファイスブックで多くのフォロワーを得る程のアートを作れるようになった彼女。
販売、現在の収入源
彼女は今、制作したその「葉アート」を1枚400ペソ、日本円にして約850円で販売し収入を得ている。彼女曰く、工場で働いていた時よりも作業は楽しく、それで日々の出費を賄えているので趣味と実益が叶って充実しているそう。
作品
これはフィリピンの有名人であるマイケルV(ビトイ)という人がコロナに感染したと報道があった際に作成したもの。余談だが私も彼の出演するバブルギャングという番組はよく見ている。
次はフィリピンでおなじみのトライシクル。バイクにサイドカーが付いた乗り物で、私の住むパラワン島では庶民の足として日常的に使われている。
他にも有名人を中心に作成し、販売する時は額に入れている。
庶民の生活費
フィリピンの一般的な庶民は(私のその内の一人だが)、生活スタイルにもよるが、だいたい1日500ペソ(約1,100円)あれば十分暮らしていけてお釣りが来る。
平均月収が33,000円と言われているが、その中から家賃や光熱費、食費を捻出する生活。
基本的に貯金をする習慣もないのでその日暮らしな人が多いが、それでも毎日ご飯が食べれて家族をワイワイ出来るのが幸せという暮らし方である。
彼女の生活スタイルや、毎日どのくらいその葉アートを売っているのかは分からないが、きっと1枚売れるとそれで十分だろう。
余談
日本人がフィリピンで毎月30,000円で暮らすことが出来るという話ではないので、もしこれを読んで移住を考えるのは参考にならないのでご注意いただきたい。
不可能ではないがあくまで生活レベルを数段落とした現地の人と同じ生活環境限定。もし日本と同じ生活レベルにすると逆に高くつく割に不便で幻滅してしまうかもしれない。
様々な物語
ちょっと話が逸れてしまったが、フィリピンではこのコロナパンデミックであまり良いニュースを聞かない今日この頃。
今朝もここパラワン島の私が住む市でそれなりの規模の市中感染が起こった可能性があるというニュースがあり、もしかしたら地域を限定してまた厳しい外出制限のあるロックダウンが始まってしまうかもしれない。
そんな中、同じフィリピンで失業という不遇から光を見出した彼女のような話はとても嬉しく感じる。
皆が全員彼女のようになれる訳はないが、何かを始めると物事は好転するかもしれない。そんな風に感じられたし、もしかしたらきっかけは身近にあるのかもしれない。
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パラワン島の動画も⇓にあるのでぜひ見てください!