フィリピン最後の楽園パラワン島 日常編

日本と全然違う!そんなパラワン島での暮らし / 2017年~現在

【フィリピン】観光客が消えたパラワン島の現在 / ロックダウンと生活

 

フィリピンのパラワン島

 

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日本人にはあまり馴染みがないこの島はフィリピン最後の秘境と呼ばれ、例年多くの観光客が訪れる人気の島。

 

 

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私はこの島で宿泊施設ヴィラサクラの経営、そのブランドである「パラワンの海から」というHPを通じて日本人の観光客の方へのツアーのアレンジ、また市のライセンス通訳者として観光に携わりながら生活をしている。

 

 

フィリピンは現在ロックダウン中で、ここパラワン島も同様。その影響で観光客はほぼ消えてしまった。ホテル等の宿泊施設は新規予約の受付を禁止され、現在観光目的でフィリピンへの入国は不可能なのでコロナ騒動の前からあった予約もすべて必然的にキャンセルとなっている。

 

それだけではなく生活に必要なサービスを提供する商売以外は営業が禁止され、ほとんどシャッターを下ろしている。スーパーやマーケットに入るにも体温チェックがされ、さらに一度に店内に入れる人数が制限されているので入口は大行列。その行列もソーシャルディスタンスということで並んだ各人は1m以上間隔を空けている。最後尾からは入口が見えないこともあるし、下手な時間に行くと2~3時間くらい待つ羽目になる。ただ近所のウクレレ屋さんはオープンしていたりするのでフィリピンはやはり謎の国だ。

 

 

外出は各家庭に1人だけ「Quarantine Pass」という、各所に設けられた検問を通過できる通行証を発行され、生活必需品を買うための外出や病院等に行くことが許されている。

 

島の様子がすっかり変わってしまい、観光客も消え、人の移動もなく、商売の制限もあるので、経済への影響はとても大きい。そしてそれはすぐに現地で生活するフィリピン人に影響を及ぼす。

 

一般的にフィリピン人の多くはその日暮らしに近く、あまり貯金もしない為、勤務先が臨時でも休業すると生活は急に圧迫される。政府から本来12月に支給される「ボーナス」の先払い等を勧めるお達しがでているが、この辺りではおそらくほとんど実現してないだろう。

 

ここフィリピンは労働に関してはかなりドライで、基本的には「No Work, No Pay」、要するに働かないと給料は出ない。給料が出なく、保証もないのであれば会社に籍を置くメリットもほぼないので辞めたり、田舎に帰ったりする。

 

今も国で定められた社会保障も用意されず、日当いくらという形態で働く人も多くいる、つまりその日に得るはずの数百ペソを当てにして生活している。給料に対しての物価は相対的に非常に高いので、普段からの厳しい生活を超え、すぐに生活できなくなる。

 

余裕を持って生活できるのは超少数派のミドルクラス以上の人達だけだろう。ただバナナやパパイヤ、グリーンマンゴーがその辺りになっているので、適当に採って食べればいざとなったらしばらくは何とかなるかもしれない。チキン鶏もその辺で元気に走っている。

 

 

話を観光客に戻すと、以前は多くの外国人を見かけることが出来た。私のお客さんも日本人だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカやインド、中国、韓国、ベトナムと世界各地から様々だったが、現在見かける外国人と言えばここパラワン島に生活基盤があるほんの少数の人々のみ。人口に占める外国籍の人は限りなくゼロに近い。外出しても見かけるのは99.9%現地のローカルフィリピン人だ。

 

 

そんな彼らも現在は政府の指示に従い、コロナ感染を恐れ大人しくしている。ただ今後は分からない。今日食べる物が買えない、明日も同じとなると状況は変わる可能性がある。

 

コロナウイルス拡大防止と最低限の生活を得られるかというバランスはとても難しいが、最終的に上手く手を打たないを、人々は感染するかどうか分からないものを恐れるよりも目の前の空腹を恐れ始めるだろう。

 

世界のニュースを見てもあらゆる角度で負のスパイラルに入っていることは明らかで、これからは見込まれる大きな経済的ダメージが実際にどれほどのもので、実際に各家庭、各個人へどう影響するのか。また私は日本人なので、やはり日本のことも気になる。現時点(4/1)では世界の国々が行っている対策対応と比べるとずいぶん呑気に見える。複雑で各方面への調整が大変なのは分かるが、感染拡大についてはとても心配になる。

 

 

3月の後半、ここフィリピンは乾季のシーズンに入ったことが発表され、雨もまったく降らず、見上げれば空は青くとても暑い。本来は天気の心配をすることなく多くの観光客がここパラワン島で非日常となる旅行を楽しむ、1年で一番賑わう時期である。

 

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見慣れたはずの美しいビーチ、透明な海が懐かしい

 

 

来年の今頃はかつての賑わいが戻ってますように。

 

 

 

パラワンの海から