フィリピン最後の楽園パラワン島 日常編

日本と全然違う!そんなパラワン島での暮らし / 2017年~現在

【回想】宇宙とN君

 

昔N君という高校の同級生がいた。

自分で言うのもアレだが私の通っていた高校は県内でも有名な進学校。

私はそこの落ちこぼれだったのだがN君はそんな高校の中でも一握りしか入れない特進クラス。さらにその中でもトップクラスの成績の超優秀な生徒。

私とは正反対な高校生だったのだが、帰る方向が一緒だったのでよく二人で電車に乗って帰っていた。

 

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私はそのN君と電車に乗る30分弱の時間が好きだった。なぜなら彼はとても興味深い話をいつも私に語ってくれた。それは政治とか経済とか時事ニュースなんかではなく宇宙の話。

 

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彼はいつも宇宙を彼なりに理解しようとしていた。宇宙の起源、地球外生命、惑星、時間の流れ、話題は様々。

 

もし〇〇という仮説が成り立つのなら〇〇なんだと言い、時折私に意見を求めてきた。

 

N君には逆立ちしても勉強や時頭の良さでは敵わないが、私も創造性豊かな高校生。その時は持論をぶつけて二人でよく議論した。私の方は何の根拠もないただの妄想だが、N君はそれすらもフムフムと頷き、時に私の妄想が成立するか考え込んでいた。

 

しかし短いディスカッションの最後、N君はいつも「やっぱり難しいね、一体何が起こってるんだろうね。まだ理解出来ないや」と言って終わるのだった。

 

高校卒業後、有名大学に進学したN君が今何をやっているのか分からないが、ぜひ彼にはフィリピンに住み、このパルプンテな国で何が起こっているのか答えを導き出してほしい。

 

もう頼るのはN君しかいない!

 

 

 

先日、バイクで走っていると右折のウィンカーを出していたピックアップトラックがそのウィンカーを出したまま急に左折して来た。間一髪よけたが右も左も分からない車と一緒に走るには宇宙波を使った第六感が必要だ。

 

別の日に今度はトライシクルに乗ろうと手をあげて待っていたら、一台のトライシクルが突っ込んできた。

ドライバーが目測を誤ったのか、それともブレーキが壊れているのか、これから自分の乗客になる人間に鉄の塊ごと突っ込んできた。これも秘儀デング熱病み上がりバックステップで難を逃れたが、いつ何どき何が起こるか分からない。

 

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夜、街灯もない道路を歩いていると大きな穴。

 

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一歩間違えればズドンとコントみたいに落ちて、コントでは決して出ないリアル赤い液体が出そうな危険な穴だ。

 

きっとN君だったらこのブラックホールの謎に迫ってくれるだろう。

 

フィリピンタイムで全然時間に来ない、来る来る詐欺でまったく来ない、そんなフィリピンの時間の流れにもついでに迫ってほしい。

 

N君は何て言うのだろうか・・・

 

もしかしてまたこう言うかもしれない。

 

「やっぱり難しいね、一体何が起こってるんだろうね。まだ理解出来ないや」

 

 

おわり

 

 

 

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